昭和62年(1987年)1月号 No227 |
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長野県スポーツ少年団事務局 長野市大字南長野聖徳545−1 県スポーツ会館内 |
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母集団活動に学ぶ |
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「自分の子、自分達の子は自分、自分達で育たてる」この基本原則が最近ややもすると、忘れがちになっている感があるように思われます。次の世代を担う子ども達を育てるのは誰でもありません。赤ちゃんが言葉をおぼえるように自然のうちに物の良悪、けじめの判断から学びとっていくことを考えるならば、基本的なしつけはまず親の最低、最高の基本的つとめであり、義務であると考えます。 ともすると、そこの部分が忘れられ、しつけも学校、塾、クラブの先生というように他人まかせの傾向が目立ってきているように思います。 スポ−ツ少年団は、自分の子どものためにより良い環境をつくってあげ、その上に指導者の技術を導入し、子どもの向上を求めるという基本的な考えでありますから、90%以上は親が運営しているといってよいと思われます。 当団でも53年に発足(54年登録)してから、現在まで50余名が退団し、その内訳は転勤、幼児期に入ってすぐやめた者を除いては、子どもの意志より、親の都合、親自身が息切れをしてやめさせるケースで、やめさせて放りぱなしの例が多いようです。青少年の心身の健全な育成は親の姿勢、生き方にあると考えるとき、保護者の活動に対する理解と協力が母集団活動の充実につながり、スポーツ少年団活動の発展の大きな基盤になると考えます。 10月から翌年度の活動にむけて団員の班編成を行い、活動内容の伝承を考える上で縦割とし,母集団は同学年、学校別の保護者で横割編成となっています。団員組織で特に力を入れているのは、高・中・小学校・幼稚園の団員がいるので、小さい者の面倒は上級生がみることです。団活動は主としてリーダーと指導者が中心になり年間行事を決め、運営はリーダー会です。2月に総会を開き、3月の登録、保険手続きの準備に始まり、4月から新年度活動ができる態勢がとれるようになってきました。団活動の目的・内容を親子とも学び理解する上で、積極的に指導者講習会に参加し指導者の1/4弱は認定指導員で、昨年は体力テスト判定員の資格も母集団役員が取得したことから、団独自で体力テストもできるようになりました。『親も子も共にスポーツの楽しみ喜びを求めて』を合言葉に、母集団活動の中で父親はサッカー、母親はバレーボールのチームを編成し、市民スポーツ少年団祭などの大会に参加。また、親子ペアマラソン、夫婦ペアバドミントン大会、冬はスキー、夏はヨット、カヌー等々、子どもの活動に参加しているうちに、子どもと共に種々のスポーツをする楽しみを覚えました。 強い信頼関係に結ばれた指導者と子と親、この三者に加え(リーダーを育てていくのは相当の忍耐力が必要ですし、見守ることが大きな要素ですが)、次期後継者としてのリーダーが力を合わせ、新しい仲間と手を結ふとき、ただ単に母集団の充実のみならず,初めて世の中から非行も無気力も、地域社会の崩壊も心配が失せると共に,スポーツ少年団活動の発展が望めるのではないでしょうか。 日独同時交流の席で言われた指導者の言葉が残ります。「なぜ日本では勝負にこだわるのか。技術的、またはルールにしばられることなく、あらゆるスポーツの楽しみ、喜びを子ども達に与えてほしい」 最後に、時に親以上に子どもの気持を理解し、能力の発見、引出しに優れた指導者に恵まれたことを、親は絶大な信頼をもって常に感謝していることを付記させていただきます。 |