閉じる



 
平成8年(1996年)8月22日 木曜日

 1996年7月、第26回アトランタオリンピックの開催にあたり、同組織委員会は『1996年アトランタオリンピック国際ユースキャンプ』を7月17日〜31日まで、同市のべリー大学で開いた。
ユースキャンプは、オリンピックムーフメントに対する理解を深め、諸外国の青少年との友好交流を促進することを目的に実施された。日本からは私を含め10人の青少年(16歳〜18歳)が派遣された。


外国の参加者たちと交流
(下段左端が筆者)
 ユースキャンプの内容は、オリンピック競技観戦や大学内で組まれたプログラムがあった。通常はアート、スポーツ、アドベンチャーの3つに分かれて諸外国の青少年たちと共に活動し、交流を深めた。その他にも、スタッフの考えたレクリエーションなどをして楽しんだ。 時間が平気で一時間も延びたり、日が落ちるのが遅い関係で、夜遅くから始めて、次の日、また朝早くから、という事があり、かなりの疲労がたまった。でも、退屈ということは少しもなかった。
 活動を通して交流を深めながら私が感じた事は、「外人は人の心をつかむのがうまい」という事だ。自分という人間の表現の仕方をちゃんと知っている。気が付けば、前からそこにいたかのように人の心の中に、人の間に上手に入り込んでいる。色々な人種の中にいても決して物おじせずに堂々と自分を表現できる。
 それは他人とのコミュニケーションをとる上で、とても大切な事であるが、外人のそれに比べて私たち日本人はどうだろう。違う人種の中にいざ一人で入ると小さくなってしまいがちではないだろうか。国際化が進む上で、それは日本人が学ばなくてはいけない点であり、さらなる認識を必要とするのではないかと私は強く感じた。
 それと、もう一つ感じたことは、「外人はのせてまとめるのがうまい」という事だ。これは、のる側の気持ちも関係してくるが、例として、ミーティングの時の事を挙げてみよう。ミーティングといえば、皆は何を思い浮かべるだろうか。ただ静かに長々しい注意事項や話を聞いているだけの退屈な時間だと思うのではないだろうか。私も今までの経験から、そうだとしか思っていず、めんどうだと思っていた。
 しかし、そこでのミーティングは今まで経験したような退屈なものではなかった。スタッフが中心となって、場を盛りとげようとレクリエーションやダンスを行って、皆の気持ちを一つにまとめ、皆の興味を自分たちの方へ向けさせてから、時間をかけず、短い時間の中で要点だけを簡単に述べて終わりにするというものであった。

女子マラソン鋼メダリストの
有森選手と(空港ロビーで)
 皆の気持ちがダレていて、聞いてもいないような所へ厳しい口調で長々と話をするより、よっぽど効果的である。こういうやり方は外人ならではのものだと思う。どうしても型や形式にこだわってしまう頭の堅い日本人にはできないやり方である。やはりこういう所で思考の豊かさの違いというものが出てきてしまうのだろうか。
 私たち(私)が、次は、スタッフとして同じように長野オリンピック国際ユースキャンプを盛り上げることができるかどうか少し不安にってしまった。
 スタッフは参加者(キャンパー)の心の中に退屈した時間があったという事を少しでも残さないように、このプログラムはどうしたら皆が楽しんで過ごすことができるのかという事を常に考えていてくれたおかげで、私たちは毎日を楽しく過ごすことができた。
 そのスタッフの苦労は 相当のものだっただろう。そのスタッフの方々の心遣いに深く感謝すると同時に、次は自分たちが同じ立場に立つという事に、しつかりとした白覚と責任をもって、長野オリンピック国際ユースキャンプに向けて、これからの勉強に励んでいきたいと思う。
                                                (大町市神栄町)

大活躍した日本チームの野球を観戦

卓球の小山ちれ選手を応援
ページの先頭へ